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魔法のなべと魔法のたま [Favorite/特別な本]

ホタルを見に、夜のドライブへ
何千匹ものホタルが飛び交う幻想的な光景は、魔法の国のようでした。
だけどホタルの光は、写真に映ってなかった…
あれは、幻だったのかな…

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もう20年位前のことですが、千葉の図書館で、棚から何気なく抜き出した1冊の絵本。
その本を開いたとたん、体じゅうに電気が走ったような衝撃を受けました。

心の奥底で探していたものに、やっと巡り合えたような感覚。
私の大好きなヨーロッパの色、香り、空気が伝わってくる絵。

すぐその本を借りて、家でずっと眺めていました。
それからも、何度も何度も、返しては借りるの繰り返し…
絶版本だったから、もう手に入らなかった。

それが、ドゥシャン・カーライさん絵の「魔法のなべと魔法のたま」

私の生き方を変えた本です。
この時 「私も、絵本描こう」と決めました。
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なぜ、こんなに魅かれるのかわからない。
この絵を描いた人が、どこの誰だかわからない。
現在生きているのか、過去の人なのかさえわからない。
誰に聞いても、知らないという。
何もわからないけれど、憧れの画家。

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それから何年もの時が流れ・・・

ドゥシャン・カーライさんが来日すると聞きました!
武蔵野美術大学で、絵本学会の講演に。私は 遠くから拝聴。
カーライさんは、スロバキアのブラティスラヴァ美術大学の教授であり、世界的な絵本作家だと知る。
あの頃 日本では、まだ知名度が低かっただけなのです。

同じ時代を 生きていた人なんだ。
遠いけど、本物に出会えた奇跡。

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そのまた何年か後の2009年に・・・
なんと、板橋美術館冬のアトリエで、カーライ先生の指導を受けるという機会に恵まれました。
目の前にカーライ先生がいて、直接お話できて、アドバイスもらえて、勇気もらえて…
信じられない、ふわふわ 地に足がついていない。
カーライ先生が熱弁した瞬間、何度か、先生の頭から金色の光が ミストシャワーのごとく出たから、不思議…
これはやっぱり夢かと思い…
腕をギュッと つねってみたら、い、痛かった。
これ現実なんだ。

夢か現か よくわからなくても…直接いただいた言葉だけは、忘れません。

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最終日、ご夫婦へ寄せ書き。少しだけ覚えたスロバキア語で。


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あの日、図書館の棚から偶然抜き出した1冊の本。
思っていると、本当に繋がっていくんだね。

目には見えない糸で。
奇跡ではなくて軌跡。

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つかもうとしても つかめない、ホタルの光は…
幻のようだけど、幻じゃない。
ちゃんとそこに 存在していたこと。


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アンデルセン童話全集Ⅰ

アンデルセン童話全集Ⅰ

  • 作者: ハンス・クリスチャン アンデルセン
  • 出版社/メーカー: 西村書店
  • 発売日: 2011/08/03
  • メディア: 大型本


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