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仏教伝来の道 平山郁夫と文化財保護 [Gallery/美術館]


東京国立博物館 (3月6日まで)

2001年アフガニスタン「バーミヤンの大石仏」が、タリバンによって爆破されました。
世界中に衝撃を与えたその出来事は、
いつか「バーミヤンの大石仏」を見に行きたいという私の夢も、一瞬にして壊されました。

また遺跡やカブール博物館から貴重な文化財が次々に盗まれていく報道を見て、
信じられなく、とてもショックを受けました。


それを救ったのが、平山郁夫さんです。
流出文化財保護日本委員会を立ち上げ、闇に消えゆく文化財を回収、保護してきたのです。
略奪された文化財が、不法売買された流出先は、なんと日本。

今、私たちがこうして至宝を見ることが出来るのは、
皮肉にも泥棒たちのおかげなのか…
流出していなければ、すべての貴重な文化財が破壊されていたことでしょう。

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この展覧会は、文化で国を救おうとした平山郁夫さんの活動が集結されています。
コンセプトがしっかり伝わってきて、感動した、今までで最高のものでした。

私の思い入れ深い、興味のあるものも たくさん展示
特に、ガンダーラ美術。
かつては、誰もが憧れた豊かな国、ガンダーラ…
(今は廃墟と化したパキスタン)

日本文化の原点。

そのガンダーラ仏の流れをくむバーミヤンの大石仏を、日本が主となり再建しようという動きの中で、
平山郁夫さんが断固再建反対していた姿が、今でも記憶に残っています。

広島原爆ドームのように、負の遺産として、現状のまま残すべきだと。

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最後のブースは、ライフワークの集大成
30年かかって完成させた「大唐西域壁画」は、ものすごいパワーを放っていました。
須弥山として描いたエベレストが目に入ったとき、涙が出てきました。。。

玄奘が越えた山は実際はエベレストではないと、薬師寺のお坊さんからお聞きして、
その絵に託した平山郁夫さんの 命がけの思いを 深く感じとりました。

平山郁夫さんは、人々の平和のために 苦難を乗り越えた 玄奘三蔵そのものだと思います。

 

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