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イタリア・ボローニャブックフェアー [My work/絵本制作]

 「あなたは、もっと広い市場に出なさい! タネをまきに行きなさい!」

と、背中を押してくれる人がいました…

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長年憧れつづけた場所へ。。。
ひとり旅。

旅立つ直前まで、トラブル続きだったけど、
たくさんの人の思いを背負って行くのだから、
簡単に諦めてはいけないと、強い気持ちで臨みました。

子どもの本の国際見本市を目指して、
単身イタリア・ボローニャへ!
絵本とファイルを持って、海外の出版社への売り込みです。

ローマから飛行機を乗り継いで、ボローニャ空港へ。
途端に光景が変わる。日本人は見当たらない。
そこから、知らない街に ひとりきり・・・
不安が押し寄せる・・・
ドキドキ・・・バス停がわからない・・・
ボローニャでは、英語が通じない・・・
wi-fiがつながらない・・・mapも翻訳機も使えない・・・

思い切って、あやふやな初イタリア語で、バス券売機の使い方と、道を聞くと・・・
早口早口、怒涛のイタリア語、全く聞き取れない。
どうしたらいいか、わからない。
でも、みんな親切に、なんとか困ってる日本人を助けようとしてくれる・・・
イタリア人優しい。
間違えずに ホテルにたどり着きましたよ~! ほっ。。。

その後も、一週間のイタリア生活、苦戦することだらけでした。
誰にも頼れない。 
だけど、だから、ハラハラドキドキ、おもしろい。。。

ボローニャの街も人も、イメージしていたものと違いました。
豪壮な歴史ある建物の中を、人と車が 速いスピードで駆け抜けていく。
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見本市会場は、広くて広くて・・・先が見えない海のよう。
1300社の波におぼれそう・・・
最初は、ただ呆然としながら、ぐるぐると泳ぎ回っていただけ。

本来、国際見本市は、企業の版権売買などの商取引が行われる場。
そこへ個人のイラストレーターが割込んでいくのは、大変なことなのです。
だけど、世界中の出版社が集まるこの場所に、わずかなチャンスを求めて、毎年世界中のイラストレーターたちがやってくるのです。

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私も、売り込みを受け付けてくれる出版社を探しては、見てもらいました。
たくさん声をかけて・・・たくさん断られました。

そして、
たくさんの世界の出版物を 見ました。
たくさんの世界の人たちを 観察していました。
日本に閉じこもっていては見えないことを、たくさん見ようとしました。
毎日、朝から終了時間まで…。
広い会場を歩いて歩いて…。

作品を気に入ってくれた海外の出版社は、帰国後すぐ、mailと郵送でやり取り。
直訳の絵本では受け入れてもらえないことを知り、プロの助けをかりて、言葉を直して送りました。

ボローニャに来て、得たものがたくさんありました。
悩んだけれど、来て良かった!

***

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<イラストレターズカフェ・駒形克己さんの本の発表>

私に勇気をくれた人は、突然の病で来ることができなくなってしまいました。
だけど、作品は世界の人々に届いている! 

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日本では、新人がデビューできる道は、ほとんどないのです。

言葉が話せないからと、行くことを諦めるなと、言われてました。
言葉よりも大切なものがあるからと。

実際、飛びこんでしまえば、何とかなってしまうものです。

だから、もし迷っている人がいるならば、今度は私が、その人の背中を押してあげたい・・・

日本を飛び出して…
ヨーロッパへ…
広い市場へ…

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追記:このブログを始めたきっかけは…

   2010年3月の最初の記事に書いていた思い。
   飛んでいく飛行機アリタリアに願掛け
   「いつかイタリア・ボローニャに連れてって!」と。 

   いつかの夢が叶っていました…


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